認知療法で克服するために

パニック障害の治療は、まず薬物治療ですが、それと同時に大切な治療方法の一つがこの「認知療法」です。一度パニック発作を経験してしまうと、また起きるという極度の不安に襲われます。これを予期不安といいます。

パニック発作が起きて気がおかしくなってしまう、そのような思い込みを無くし正しい病気の内容を理解し、本当は大丈夫なんだと思う事が認知療法になってきます

認知療法の具体例

自分でイメージしてしまうマイナスの考え方を現実的でバランスの良い考えをするように導き出すことで不安感や恐怖感を緩和し、パニック発作を予防していくようにする事なのです。

そして、予期不安を感じなくなったとき、認知療法で克服出来たという事になります。

自分はどのような症状と闘っているのか、その症状に効果のある事はどんな事なのか、どうして自分の症状に効果が出てくるのか、このような事を理解していく事で克服方法が自分の中でも明確になっていきます。

そして、どうすれば自分はパニック発作になってしまうのか、その時「命に関わる怖い事なんてない」と理解していれば、対処出来て行くようになります。

パニック障害の治療は、心理療法が有効で、落ち着く事・発作を怖がらない強い気持ちを持つ練習をしていく事が必要です。

そして、自分自身の病気と自分自身の性格を理解した上でセルフコントロールが上手く出来るようになれば、認知療法でパニック障害を克服出来るようになるのです。

病気に負けない心を鍛えていくことが、パニック障害を治すカギになるでしょう。

きっかけを見つけることから始める完治への道

パニック障害には必ずきっかけがあります。それはもちろん個人差があり、いろいろな原因あるでしょう。

例えば出産がきっかけだったり、交通事故がきっかけで起ったり、ちょっとした恥ずかしい出来事からそれが起ったり、過呼吸気味の症状から起ったりなどいろいろです。

幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざがあります。これは幽霊だと思って怯えていたが、よく見たら枯れた花だったということわざです。

つまり怖い、恐ろしいものと思っても、実際にその正体をみたら「なーんだ、そんなことだったのか」ということなのです。

パニック障害も症状が出ると怪物のように恐怖感を持ちます。そしてその症状と毎日のように戦っている人や、毎日のように敗北感を味わっている人もいます。

でも、まず自分がどうしてパニック障害になったかというきっかけを探ることで、「たったそんなことだったのか」と知ることなのです。

パニック障害という、とんでもない大変な症状に見えるけど、最初の理由はちょっとした事故に遭ったときに、びっくりして恐怖を感じたことかも知れません。

たったそんなことで自分は恐怖を怪物のように大きく感じたいたということが分かれば、「もう心配ないんだ」と言い聞かせることもできます

きっかけが分かるとパニック障害に向っていく自信もわいてくるはずです。そして自分の心がパニックになった原因が分かると、「大丈夫だよ」と落着かせることができると言われています。

それは自分が意識の中で「たったそれだけのきっかけだった」と知るだけで、もう不安感は相当なくなるのです。

パニック障害の人はパニックになった状態に、またパニックを感じると言われています。

つまり誰でもドキッとして心臓がバクバクすることがあります。でもそんな自分に対してパニクることはないはずです。それは特に他に不安がないからです。

でもパニック障害になっている人は、「こうなったらああなる、ああなるとこうなってしまう」というふうに波のように不安が不安を呼んでしまいます

きっかけが分かれば、それが理由だと納得しているので、パニックの症状が軽くなります。そこから徐々に心が解放されていくのだと言われているのです。

パニック障害は本当に完治するのか

パニック障害はいったん発症するとなかなか完治が難しいということから、完治しないという人もいるようですが、実はきちんと治療することで完治します。また自力で完治した人もたくさんいることも事実です。

しかし完治するまでの期間が何カ月、何年というように予測が立たないものであって、個人差がありその完治率などもなかなかはっきり言い切れないものがあります。

はっきり言いきれない理由には、パニック障害の原因がはっきり解明されていないというところもあるようです

例えばうつ病なども完治する人もいれば、なかなか完治には至らない人もいますが、それと同じようなイメージがあります。そのため風邪のようにこの薬を飲んだら治る、静かにしていたら治るということではないのです。

ただしパニック障害は比較的早い治療がスタートできればほとんど軽度のパニック障害なので、3カ月から半年での完治率が高くなるとも言われています。

逆に恐怖心、不安感が強い重度の場合は完治するまで、どうしても長引く傾向です。しかしこれもはっきり言いきれることではありません。

しかし完治率ということから考えると、できるだけパニック障害の自覚と早期治療が大切ではないでしょうか。

パニック障害の場合、完治しないということが脅迫観念により、また症状がひどくなるということもあります。完治しない病気ではないので焦ることがなく、完治に関しては確信していることが大切です。

例えば良くなっていくのも、ある日突然良くなるわけではありません。だんだん発作と発作の間が長くなり発作が少なくなっていきます。

でも焦ってしまうと、せっかく期間が空いて次の発作が起ったときにも、落胆と完治できないのではないかという不安によって症状が戻ってしまうということがあります。

そのため、あるときからピタッと症状がなくなるということはあり得ないことを納得し、焦ることは絶対に完治の妨げになってしまうということを自覚しておきましょう。

 

 

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